令和4年4月20日(水)、朗報が飛び込んで来た。3月15日に横浜地検(岡田万佑子検事)が作田氏を嫌疑不十分として不起訴にしたことを受け、私は3月21日、検察審査会に対し申し立てを行っていたのだ。それを受け、検察審査会は協議を行い、その結果「作田氏に対する不起訴は不当である」との判断が下ったのである。しかも決議されたのは時効が切れる4月16日のたった2日前、4月14日のことである。ギリギリまでに作田氏を仕留めようとする検察審査会の気骨を感じる。
検察審査会から届いた文書を読んで欲しい。
下記にポイントを示す。カッコ内は藤井注。
(1)引用:平成29年4月19日付けで被疑者(作田医師)が作成した患者の診断書には、病名に「受動喫煙症レベルⅣ、化学物質過敏症」と記載していたにもかかわらず、平成31年4月16日、横浜地方裁判所で開廷された損害賠償請求事件の口頭弁論において、前記診断書の病名を「化学物質過敏症レベルⅣ、化学物質過敏症」と書き変えるなどして作成した虚偽の診断書を、情を知らない上記事件の原告ら代理人弁護士をして、同裁判所に対し、同診断書を真正な内容のものであるかのように装い提出した。
最後の「装い」というのがみそである。「同一人物の同一診察において、2枚の異なる診断書が存在する」こと自体がおかしいと述べているのだ。病名が間違っていることはポカミスでは済まされず、それ自体が虚偽の診断書であると言っている。
(2)引用:当該患者(A家)らが横浜地方裁判所に提起した損害賠償請求事件の証拠として提出することまで被疑者(作田医師)が予見していたとまでは言えないものの
これについては異論がある。が、検察審査会に対して、日本禁煙学会作成の「お困りになったら、こうしましょう」を提出しなかったので、検察審査会がこのように判断したのも仕方がない。この点については今後民事裁判で争う。そもそも日本禁煙学会は、医師に診断書を書いてもらうことを前提として、受動喫煙の被害を訴える人々に訴訟を起こすことを勧めて来ているので、予見していないことなどあり得ない。私たちの裁判においても、最初A家が診察に訪れた日本禁煙学会の医師(くらた内科、倉田文秋医師)に「ここまでこじれていたら後は裁判しかない。裁判となれば診断書を書く」という主旨のことを告げられている。倉田医師は日本禁煙学会の幹部である。裁判をしなければ診断書を書かないと倉田医師が言っているのだから、診断書を裁判で使われると予見していなかったはずがない。むしろ診断書を書かないと告げる事で、裁判を誘発している。
(3)引用:禁煙に関する一般財団法人(注:社団法人の誤り)の理事長という責任ある立場にありながら、影響力の大きい診断書を客観的な事実に基づかず作成したことは、関係者に与える影響が大きく責任は重大である。
これは、横浜地裁の新谷裁判長が下した「日本禁煙学会が、診断書を自己申告だけで客観的根拠なく書いていいとしているのは、政策目的によるものである」という判断をさらに拡大したものである。診断書という公文書が持つ影響の大きさと、この様な診断書を呈示された人間をも含む「関係者」にまで言及している。当り前のことのように思うかもしれないが、一般的に、作田氏を含む嫌煙家は「診断書を呈示された側」のことは考慮せず無関心である。
(4)引用:被疑者(作田医師)は、患者を直接診察せず、当該患者(A娘)の両親が持参した患者の委任状、患者の主訴を記載した書面及び別の医師の診断書等のみをもって、診断書を作成している。さらには、上記患者の症状の原因(注:藤井将登の喫煙による副流煙を指す)については詳細な記載をするなど、客観的な所見とは言えず、被疑者(作田医師)の作成した診断書は虚偽診断書に該当する。
症状の原因について言及したという点については、A妻の診断書が最も酷い。これも虚偽診断書に該当すると明言している。
(5)医師法を犯した事実
窃盗行為は、時効を過ぎれば窃盗行為が無かったことにはならない。つまり、作田医師の行った医師法20条違反行為は時効を過ぎたからと言って無くならないのだ。むしろ時効の壁にさえ阻まれなければ医師法20条違反と、虚偽診断書行使罪はもとより作成罪も成立した可能性が極めて高い。
(6)これを受け、検察による「嫌疑不十分による不起訴」が「時効による不起訴」に変更になる可能性がある。
今回、一般市民で構成される検察審査会が、特権階級を守る検察に対しNOを突き付けたことは、非常に意味が大きい。さらに今回の議決内容は、これまで英断と言われた横浜地裁の判決からさらに踏み込んでいる。検察審査会のメンバーは無作為に一般市民から選ばれるわけだから、本来に市民の命を守るべき医師が、「こんないい加減な診断書を書いて市民を陥れると、誰も医師を信用しなくなる」と重大な警告を与えたのだ。