2021年1月17日

弁護士ドットコムニュース 担当者様

一週間前にお問い合わせした藤井敦子です。

警告にもかかわらず、貴社は未だに1月17日の受動喫煙症にまつわる記事を削除されていません。確認しましたところ、さらに過去に100本以上もの受動喫煙にかかわる相談がなされ、弁護士の多くが「受動喫煙症」の何たるかもわからないままの不適切なアドバイスが残されています。

 「受動喫煙症」は外国にも無く、厚労省も認可していない「日本禁煙学会理事長・作田学医師」を中心としたグループにより設けられた診断基準により名付けられる病名です。しかも、夫を被告(被控訴人)とする裁判でその存在は断罪されました。この点を重く受け止め、弁護士の団体として正しい発信をして下さい。

 この裁判は、私の夫である藤井将登が自室の音楽室(密封された防音構造)で吸っていた煙草の副流煙により、隣人のAさん一家が受動喫煙症などに罹患したとして、Aさん一家が夫を被告俊、4500万円もの損害賠償を求めてきたものです。

   第1審の横浜地裁も第2審の東京高裁も、Aさんらの訴えを棄却し、将登さんが勝訴しました。将登さんは、喫煙者とはいえ、喫煙量は1日に2,3本程度で、しかも、喫煙場所は密閉した防音構造の部屋でした。裁判所は副流煙は隣家まで達していないと判断したのです。タバコを吸わない私や娘まで喫煙者と疑われ糾弾されました。また、原告のうちの一人である父親は自らの25年におよぶ喫煙を隠していたことが裁判途中で発覚しました。これらは受動喫煙症の診断が自己申告に依拠していることが原因です。裏付けや客観的判断が無いままに診断書を書いてしまうのです。

 この裁判の最大の問題点は、提訴に際して日本禁煙学会の作田学理事長が、訴訟を目的として、Aさんらに都合のいい診断書を作成したことです。たとえば原告の一人であるAさんの娘の診断書は、本人が診察を受けることなく日赤医療センターから交付されました。作田医師と娘は面識はありません。話したこともありません。しかし、作田医師は、将登さんの煙草で娘が受動喫煙症や乳ガンになったと断定するとんでもない診断書を交付したのです。

 しかし、裁判所にも良心があり、このような診断書を作成した作田理事長に対して、横浜地裁は判決の中で、医師法20条違反(患者を診察しないで、診断書を交付する行為の禁止)を認定しました。東京高裁の判決は、医師法20条違反については言及していませんが、作田氏の医療行為については断罪しました。 また一審では「その基準(日本禁煙学会の『受動喫煙の分類と診断基準』)が受動喫煙自体についての客観的証拠がなくとも、患者の申告だけで受動喫煙症と診断してかまわないとしているのは、早期治療に着手するためとか、法的手段をとるための布石とするといった一種の政策目的によるものと認められる。(認定事実(4)ア)」と組織関与を認め二審でも追認しました。二審では「自己申告に依拠することの誤り」について厳しい糾弾を受けています(当たり前のことですが)。

 この事件では多くの医師や専門家がAさん側に立って意見書を提出しています。その件数は、10通を超えます。その経費だけで300万円ぐらいの資金が動いていると推測されます。しかし、提訴の根拠そのものが事実に反していたので、彼らの主張はなにひとつ認められませんでした。

 都民ファーストの議員で「完全禁煙社会を目指す活動をしている」岡本光樹氏なども弁護士でありますが、司法でまだ定められていないものを、このような強硬なやり方で無理やり喫煙者を裁こうとするのは間違っています。政治目的が過ぎるがあまり、今回我が家のような「吸っていない人間」まで無理やり喫煙者に仕立て上げ裁こうとする冤罪事件を起こしたのです。今一度ゆっくり立ち止まり、「医師は事実に基づき診断書を書き、弁護士は受任し裁判を起こす」という原点に戻らねばなりません。

 事実に基づかない発信をされることは今後「弁護士ドットコムニュース」の信頼を大きく下げることに繋がります。ここに一審と二審の判決および、横浜副流煙裁判の記事を貼っておきますので、弁護士ドットコムニュースの弁護士の皆さまにお送りください。「受動喫煙症の診断書」に対する司法の厳然たる判断を共有ください。 藤井敦子