聞くところによると、日本禁煙学会は「裁判を支援する際」には、役員会に諮るらしい(当然のことではあるが)。が、横浜副流煙裁判については役員会にて協議されていないとのこと。よって、あくまでも作田氏が個人的に行ったこととの認識で、それに沿うするように、作田氏も自身のブログで禁煙学会とは関係ないと述べている。
が、果たして、禁煙学会は関与していないと言えるのだろうか。組織を代表する人間が、「組織が定めた診断基準」に従って診断書を書いておきながら、どうやって、それは組織とは関係ないと言えるのだろうか。
日本禁煙学会による総がかり裁判
下記では、日本禁煙学会およびその関連から出された裁判資料を示している。その量の多さに驚くだろう。これをもって、組織が関与していないと言えるのだろうか。
次に、裁判資料の中身から、関与を示す部分を引用しよう。
日本禁煙学会認定医・倉田文秋医師および日本禁煙学会認定禁煙専門看護師・今野郁子氏の関与
前訴訟、原告準備書面(2)14頁には下記の記載がある。
その後 、同年(注:平成28年)10月31日に、原告ら3人は、紹介を受けてくらた内科クリニック」を受 診し、3人とも、初めてそこで受動喫煙症と診断された。 原告らが診断書の作成を依頼したところ (被告とのやり取りも報告した上で)、倉田医師は、「ここまで来たら訴訟しかないかもしれない。訴訟するというのであれば、再度来て下さい。診断書を書きましょう。Jとのことであった。
そして、原告らは、平成29年3月 28日 、29日に再度訪れ 、平成28年10月31日時点での診断書を書いていただい たものである。
これは、日本禁煙学会の人間がA家を訴訟に導いていると言えないのだろうか。
また、控訴理由書13頁には下記のくだりがある。
いくつかの診療所や医院を経て、ようやくたどり着いたのが倉田医師であり、そこで受動喫煙症、あるいは化学物質過敏症の実態があるとの診断を受けるに至ったのである (甲 21~ 24、甲 50の1)。 倉田医師は 、日本禁煙学会認定禁煙専門医であり、かつ看護師今野郁子氏は 、日本禁煙学会認定禁煙専門看護師であり、優秀かつ ベテランの医師と看護師なのである。 彼らの問診を経て、前記の各々の診断書が作成されているのである。 )
日本禁煙学会(事務局・宮崎恭一氏等)の関与を示す記載
原告らは、いよいよ、いずれは訴訟は避けられないのではないかと 判断し、 日本禁煙学会・ 宮崎理事 から紹介 されて、 日本赤十字社 医療セ ンターの作田学先生 (日本禁煙学会理事長 )の診察を受け、診断書を作成していただいた。 (甲 1、甲 2、甲 3)。(原告準備書面(2)15頁)
「あらゆる機関への相談 原告らは、被告らとの交渉を続けながら、 あるいは被告に拒絶された後にも、何とか被告に自宅での喫煙を止めて もらいたいと考えて、あらゆる機関への相談をしてきた。例えば、保健 所であり、区役所の法律相談であり、団体の管理組合であり、警察であ り、日本禁煙学会であり、弁護士会であったりしたのである。」(最終 準備書面 6頁)
「私は、日本禁煙学会にも、電話で色々と問い合わせをして、日本赤十 字社医療センターの作田学先生を紹介して頂きました。」(甲32号証、A妻陳述書)
原告らは、日本禁煙学会のホームページを見て日本禁煙学会の事務局の方々から、様々な助言と指導を受け、倉田医師 、宮田医師との診察と診断を受ける機会と、更に作田医師の診察と診断を受ける機会も持った。(最終準備書面 33頁)